出典:Nomfluence(Zita Hu/待酒师画报、翻訳:Rachel Gouk)|2026年7月17日

▼ポイント(編集部まとめ)
• 上海のナチュラルワインシーンを牽引してきたビストロ「SOiF」が2026年6月末に閉店
• 2017年のVinism開業を起点とする中国ナチュラルワインブームは、パンデミック期に急失速。上海ではVinism売却、Ambra閉店、RACはコーヒー大手M Standへ売却
• 一方、世界のナチュラルワイン市場はCAGR9.0%で成長中(2025年28億ドル→2034年61億ドル予測)。中国の低迷はアジア太平洋の数字を押し下げる例外的存在
• 筆者Zita Huの見立て:中国の失速は資本とSNSが作った「装置としてのナチュラル」が剥がれ落ちただけ。方法論を飛ばして記号だけを消費した結果
• 中国のZ世代・Y世代では「本当に理解し、味わい、好きなものだけを買う」層が増加。ナチュラルワインは今、対抗文化ではなくワインの一選択肢へと着地しつつある
▼DrinkChina!!コメント
「ナチュラルが手法から象徴へ、選択から立場へ変わった時点で、長続きしない」——この一文がすべてを言い当てている。
中国で起きたのは、テロワールの理解が先に来るはずの順番が逆転したことだ。海外では何十年もかけて「低介入・透明性・持続可能性」への理解が育ち、その先にナチュラルワインが自然な帰結として現れた。中国ではその過程を飛ばし、ラベルとポーズだけが先に流通した。
これは「飲養一体」の視点から見ても示唆的だ。ナチュラルワインが本来問うているのは、何が入っているか、どう作られたかという誠実さの話であって、映えるかどうかではない。SOiFの閉店は終わりではなく、記号としての熱狂が退場し、飲む理由が問い直されている過程に見える。

