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カテゴリー: wine

中国ワインの最前線を日本語で伝える専門メディアDrinkChina!!のワイン記事一覧。張裕(チャンユー)・長城ワインなど大手から、小屋発酵所・楽為(ルーウェイ)・Gloriville・詩百篇など注目ワイナリーまで幅広くカバー。中国ナチュラルワインの動向、RAW WINEなど国際イベントレポート、四川料理・中国料理とのペアリング実践まで、産地を超えて深く掘り下げます。

  • #032.【海外ニュース解説】 中国でワインは「復活」できるか——SNSとインフルエンサーが鍵、という業界の本音

    #032.【海外ニュース解説】 中国でワインは「復活」できるか——SNSとインフルエンサーが鍵、という業界の本音

    出典:South China Morning Post|Ralph Jennings|2026年5月29日 https://www.scmp.com/economy/china-economy/article/3355244/how-wine-industry-can-stage-comeback-china-using-social-media

    ▼ポイント(編集部まとめ)

    • 中国のワイン消費量はコロナ禍以降に半減以上。輸入量は2017年の5億5,000万リットル超から2024年には1億6,500万リットルにまで落ち込んだ
    • Vinexpo Asia(香港・1,200社出展)でComexposiumのCEO、ロドルフ・ラメーズが言及。「中国は一つの市場ではなく、複数の市場の集合体」
    • 富裕層のファインワイン消費は依然堅調で、外国のワインメーカーが中国に戻ってくる動機になっている
    • 消費減退の主因は不動産市場の低迷による家計圧迫。「裁量支出を削るとき、より安い選択肢に移る」
    • 回復の鍵は、中国のSNSとインフルエンサーとの連携

    ▼DrinkChina!!コメント

    この記事が正直に書いているのは、ワイン業界の「中国幻想」が終わった、という事実だ。2010年代に世界最大級の市場に躍り出た中国は、いまや輸入量がピーク比70%減という深刻な状況にある。

    ただ、「中国は一つの市場ではない」というラメーズの言葉は重要だ。大衆市場は萎んでいても、富裕層のファインワイン消費は生き残っている。14億人の1%でも、数百万人の市場になる——これはWynnがアワードを設計したときの論理とまったく同じだ。

    SNSとインフルエンサーへの言及は、業界がようやく「流通」から「文化の醸成」に視点を移し始めたことを示している。ワインが中国で定着しなかった最大の理由は、品質でも価格でもなく、日常の食文化に根ざしていなかったことだと思う。白酒は宴席に、黄酒は料理に、お茶は日常に——それぞれ文脈がある。ワインにはまだそれがない。

    インフルエンサーがやるべきことは宣伝ではなく、「ワインをどんな場面で飲むか」という文脈の提案だ。そしてそれは、DrinkChina!!が「飲養一体」として追っているテーマでもある。

  • #031.【海外ニュース解説】 DWWA 2025、中国と日本が過去最高水準——アジアワインの「品質革命」が数字になった

    #031.【海外ニュース解説】 DWWA 2025、中国と日本が過去最高水準——アジアワインの「品質革命」が数字になった

    出典:Decanter World Wine Awards 2025 https://www.decanter.com/decanter-world-wine-awards/dwwa-results-highlights/new-discoveries-china-and-japans-top-dwwa-picks/

    ▼ポイント(編集部まとめ)

    • 中国ワインが2011年以来初めてDWWAトップ50入り。最高位「Best in Show」を山東省・煙台の張裕 Noble Dragon N188(97点)と寧夏の東方雨行 夜光杯(97点)の2本が獲得
    • 2銘柄はいずれもカベルネ・ジェルニッシュを軸にした独自ブレンド。欧州品種の模倣ではなく、中国の産地と品種の組み合わせで戦っている
    • 寧夏・山東を中心に白ワイン(シャルドネ)でのGold入賞も増加。「中国ワイン=赤」の図式が崩れ始めている
    • 日本からは北海道・余市のグランポレール ツヴァイゲルトレーベがPlatinum 97点。甲州の白・ロゼもGold受賞し、固有品種の評価が世界水準に達しつつある

    ▼DrinkChina!!コメント

    DWWAは世界最大規模のワインコンペティションだ。そこでのBest in Show獲得は、Wynnが設計した「国内アワード」とは意味合いが違う。外側から、しかも最も厳しい目線で与えられた評価である。

    注目したいのは受賞2銘柄の品種構成だ。張裕 Noble DragonはカベルネJの75%ブレンド、東方雨行 夜光杯はドルンフェルダーまで使った独創的な構成——どちらもボルドー型の模倣ではない。「中国の畑で何が育つか」を起点にしたワイン作りが、世界の審査員に97点で認められた。これは品質の話であると同時に、アイデンティティの話でもある。

    白ワインのGold増加も見逃せない。今回のアメシヤード受賞(Best Wine of China)と合わせると、「中国ワイン=赤」という前提が2025〜2026年を境に本格的に書き換えられていることがわかる。

    日本の甲州も同じ文脈で読める。固有品種が世界の審査基準で評価されるとき、それは「ローカルの個性」が「グローバルな品質」として翻訳された瞬間だ。

  • #030.【海外ニュース解説】甘口白ワインが「Best Wine of China」——中国ワイン、ペアリングの常識が変わる

    #030.【海外ニュース解説】甘口白ワインが「Best Wine of China」——中国ワイン、ペアリングの常識が変わる

    By LI YINGXUE|China Daily HK版|2026年5月23日

    https://www.chinadaily.com.cn/a/202605/23/WS6a11435ba310d6866eb4a510.html

    ▼ポイント(編集部まとめ)

    • 河北省懐来産のプティ・マンサン甘口白ワインが、800本超のエントリーから「Best Wine of China 2026」を受賞
    • 中国ワイン産業を長年席巻してきたカベルネ・ソーヴィニヨン/マルスランの赤ワインではなく、白ワインが最高賞を獲得したのは異例
    • 醸造家・江延軍氏(キャリア40年)は「畑95%、醸造5%」を哲学とし、樽を強く効かせた高アルコールスタイルから意識的に距離を置く
    • 受賞直後からシンガポール・マカオ・中国本土のディストリビューターが販売割当を要請

    ▼DrinkChina!!コメント

    中国ワインのペアリングといえば、長らく「中華料理にボルドー型の赤」が暗黙の前提だった。円卓を囲む宴席、濃い味付けの肉料理、そこに合わせるのは凝縮感のある赤——その図式が、中国のワイン消費をある種の型にはめてきた。

    今回の受賞が示しているのは、その前提の解体だと思う。

    プティ・マンサンの甘みと鮮やかな酸は、辛い料理にも、デザートにも、アフタヌーンティーにも合うと江氏は言う。つまりこのワインは「宴席の一本」ではなく、日常の多様なシーンに入り込める一本だ。中国の食卓は実は多様で、ボルドー型の赤が似合う場面はそのごく一部に過ぎない——そのことに、産業側がようやく本気で向き合い始めた、そういう転換点に見える。

    プティ・マンサンの甘みと鮮やかな酸は、辛い料理にも、デザートにも、アフタヌーンティーにも合うと江氏は言う。つまりこのワインは「宴席の一本」ではなく、日常の多様なシーンに入り込める一本だ。中国の食卓は実は多様で、ボルドー型の赤が似合う場面はそのごく一部に過ぎない——そのことに、産業側がようやく本気で向き合い始めた、そういう転換点に見える。

    懐来×プティ・マンサン×自然に反しない醸造。地域性・品種・哲学の三つが揃ったとき、ワインは「中国製」から「懐来のワイン」になる。それが世界に通用する入口だろう。