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#042.【海外ニュース解説】アリババ傘下の中国第2位スーパーが「独立系中国ワイン」に賭けた——500店舗展開、職人ワインが主流流通へ

出典:Vino Joy News|Morris Cai|2026年6月30日
https://vino-joy.com/2026/06/30/chinas-second-largest-retailer-bets-on-independent-chinese-wines/


▼ポイント(編集部まとめ)

  • アリババ傘下・中国第2位の小売チェーン「盒馬(フレッシュポ、Freshippo)」が、独立系中国人ワインメーカーとのコラボレーション「Tracing Terroir(産地を辿る)」プロジェクトを開始。全国最大500店舗への展開を予定
  • ラインナップは2本:寧夏マルスラン赤(128元=約2,600円)と山東・蓬莱プティ・マンサン白(228元=約4,600円)。いずれも独立系醸造家・馬傑(Ma Jie)と侯錦裕(Hou Jinyu)との共同開発
  • 初回生産は寧夏マルスランが約8,000本、蓬莱プティ・マンサンは北京・上海限定で1,000本のみ
  • フレッシュポのワイン・スピリッツバイヤー:「棚に中国ワインを並べるだけではなく、テロワールと文化を伝えたい」「独立系醸造家はノマドのようだ——どこにいても自分の醸造哲学を貫く」
  • 北京農業大学醸造学科長・李徳美教授(元Decanter「世界で最も影響力ある50人」選出):「中国は大陸性気候のテロワール研究で、世界のワイン理論に新たな視点をもたらせる」

▼DrinkChina!!コメント

このシリーズで追ってきた流れが、ここで一つの形になった。

DWWAとWSCWAで品質が証明され、トランプ晩餐会で需要が爆発し、若い消費者が「感覚で」ワインを選び始め——その先に来たのが、中国第2位の小売チェーンによる「独立系ワイン」の棚入れだ。品質の証明が流通を動かした、という構造がクリアに見える。

特筆すべきは、フレッシュポが大手ワイナリーではなく「比較的無名の独立系生産者」を意図的に選んだ点だ。「棚に置くだけでは意味がない」という姿勢は、ワインを商品としてではなく文化として扱おうとする意思表示でもある。

馬傑と侯錦裕という2人の選択も面白い。馬傑は寧夏から雲南・チベット・四川・新疆まで複数産地で醸造する「遊牧型」の醸造家。侯錦裕はワイン教育者出身で、甘口が主流のプティ・マンサンをあえて辛口で仕上げた——どちらも「普通の選択」をしていない。

DrinkChina!!が追っている「飲養一体」の文脈でいえば、独立系醸造家はその体現者だ。産地・品種・哲学が一致した地点から生まれるワインは、スペックではなく物語として語れる。フレッシュポはその物語を主流流通の棚に乗せようとしている。

蓬莱の辛口プティ・マンサン——アメシヤードの甘口プティ・マンサンと同じ品種が、異なる産地・スタイルで登場していることも、このシリーズを通じて読むと面白い。